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救済法案、衆院通過 3年めどに制度見直し検討


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済に向け、解散命令前の財産監視を強めて流出を防ぐ自民・公明・国民民主3党の特例法案が5日、衆院本会議で賛成多数により可決された。立憲民主・日本維新の会・共産各党なども賛成。れいわ新選組は反対した。7日に参院で審議入りの見通しで、今国会での成立が確実になった。包括的な財産保全を目指す立維の法案は否決された。
 信教の自由に抵触する恐れがあるとし、特例法案は財産保全措置を盛り込んでいない。立維は財産の隠匿・散逸を防げないと批判していたが、自公国が特例法案の付則で、施行後3年をめどに「財産保全の在り方を含めて検討する」と修正したことで、賛成に回った。
 全国霊感商法対策弁護士連絡会などは、資金流出防止には包括的な財産保全措置が必要だと主張している。救済の実効性確保が課題になる。
 立民の鈴木庸介氏は討論で「与党の動きは遅かった」、維新の中嶋秀樹氏は「被害者の負担を軽減するため、3年を待たずに検討することを期待する」と指摘。自民の三ツ林裕巳氏は「包括保全は信教の自由に抵触する恐れが大きく、実効的な救済にならない」と述べた。
 特例法案は、法令違反などで解散命令を請求された宗教法人が不動産を処分する際、所轄する国や都道府県への通知を義務付け、通知がなければ処分を無効とする。財務書類を3カ月ごとに所轄庁に提出させ、被害者が閲覧できるようにする。