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「裏金」9000万円超議員も 自民パーティー券 安倍派が突出


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の政治資金パーティー券問題で安倍派(清和政策研究会)の所属議員の中に、最近の5年間で9千万円超のキックバック(還流)を受け、裏金にしたとされる議員がいることが6日、関係者への取材で分かった。安倍派全体での裏金は5年間で1億円超とみられる。少なくとも10人以上が還流を受け、複数が1千万円を超えて受領していたといい、この議員が突出していた。 (3面に関連)
 東京地検特捜部は政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)の疑いで、還流額が多い安倍派所属の議員秘書らを中心に聴取を進めており、還流に関する議員とのやりとりなどを確認する。
 岸田文雄首相は6日、問題を巡って茂木敏充幹事長らと党本部で会談し、パーティー開催の当面自粛を申し合わせた。信頼回復に向けた党の取り組みを明らかにするまでの期間とし「党として強い危機感を持たなければならない重い課題だ」と表明した。各派閥に対する実態解明の指示は出さなかった。
 関係者によると、自民党の各派閥のパーティー券は1枚2万円が相場。秘書らが議員と付き合いのある団体や個人などに購入を依頼し、現金で受領したり、派閥のパーティー券の専用口座に入金してもらったりしていたという。
 販売枚数にはノルマがあり、当選回数や閣僚経験などで多くなるとされる。達成できずに苦労する議員事務所がある一方、大幅に超えて売りさばく事務所もあった。ノルマ超えの分を還流する運用があったという。