<金口木舌>一時的なパフォーマンスではなく


<金口木舌>一時的なパフォーマンスではなく
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 次年度の国の沖縄関係予算が決まりかける6年前のこの時期だった。ある県幹部が当時の翁長雄志知事への不満を臭わせる発言を繰り返していた。辺野古新基地建設を巡る対立で国が沖縄予算を減額していたからだ

▼予算確保に奔走する職員は板挟みで苦しいだろうと感じ、聞き役に徹した。だが直後に普天間第二小学校で米軍ヘリの窓落下事故が起き、この幹部は堰(せき)を切ったように政府批判を繰り広げた
▼「基地負担はずっと沖縄。県民の声に耳を傾けずに予算で締め付けるだけなら、政治なんて意味あるのか」。普段は冷静な人だったが、感情が噴き出していた
▼宜野湾市の緑ヶ丘保育園に米軍ヘリの部品が落下して7日で6年が過ぎた。数日後には普天間第二小へ米軍ヘリの窓が落下した。県民が撤去を求めてきたオスプレイが先日、屋久島沖で墜落したが、米軍は飛行を続けてきた
▼事故を受けて一時的に飛行を停止しても、しばらくすれば米軍機は再び飛ぶ。事故から6年、沖縄の空は変わっていない。根本から変えなければ、安心は訪れない。