殺人事件だというのに、美女たちが「私がやりました!」と罪を奪い合うブラックコメディー。舞台は1930年代のパリ。ある大物映画プロデューサーが殺され、売れない俳優が窮地に立たされる。同じく仕事のない貧乏弁護士とタッグを組んで無実を勝ち取ることで2人はあれよあれよと世間の注目を集め、仕事に恵まれリッチになってゆくのだ。
そこへ「その犯罪、私のです!」と、今は落ちぶれた大物俳優が登場するあたりから実にややこしくおかしい。
丁々発止の末のその先を想像して楽しんでいたら、物語はあらぬ方向に向かっていく。イザベル・ユベール演じる大物俳優のしたたかな貫禄に圧倒されながら、のし上がるための手練手管や根性をしっかり学ぶ。
おしゃれなファッションと会話に酔いながら、自分の中の黒い部分と向き合ってみるのも一興。白と黒があってこそ、人は魅力的なグレーを生みだせるということか。監督は、名匠フランソワ・オゾン。(スターシアターズ・榮慶子)
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美女が罪を奪い合う 私がやりました シネマパレットで公開中
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琉球新報朝刊
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