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身近に親族のいない人の入院 金銭管理、市町村社協が支援 <福祉の窓>1026


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 私の知り合いで1人暮らしをしている80代男性が、最近緊急入院しました。入院前は、身の回りのことなどは不自由なく行い暮らしていました。しかし入院後、身近に親族もなく、金銭の管理などどうしたらよいか困っているようです。

 入院の場合、入院中の診療に関することや書類上の手続きなどは、身近な親族によってなされるのが一般的ですが、今回の相談のように、入院費の支払いや金銭管理などをご自分でと考える方も多いかと思われ、医療機関や施設入所先の相談窓口には、同様のご相談が寄せられています。入院中、ご自分の貴重品を管理する場所として、ベッドサイドの床頭台(しょうとうだい)などが設置されている場合もありますが、安心して保管するには至らない場合もあると思います。

 このような際に利用できるのが、各市町村社会福祉協議会(社協)の事業の一つである「日常生活自立支援事業」です。このサービスは、日常生活において自身で契約などの判断や金銭管理に不安のある方で、認知症高齢者、知的障がい者、精神障がい者などの、判断能力が不十分な方が対象です。

 内容として、日常的金銭管理援助(医療費の支払いや公共料金の支払い手続きなど)、書類等の預かりサービス、福祉サービスの利用援助、その他の日常生活において必要な事務手続きのお手伝いなどです。上記に該当しない場合、お住まいの地区地域包括支援センターに総合相談、権利擁護などの相談窓口があります。

 入院中、このような窓口の照会や、医療機関などへつなぐご相談も可能ですので、医療ソーシャルワーカーへお声かけください。

 (沖縄県医療ソーシャルワーカー協会 濱川秋帆)


 県ソーシャルワーカー協議会は福祉にまつわる相談を受け付けます。宛先は、〒901-2299宜野湾市、宜野湾郵便局私書箱73号「福祉の窓」係まで。