安倍派１５人更迭へ　自民高木、萩生田氏交代　裏金問題　立民、松野氏不信任案

　岸田文雄首相は、自民党安倍派（清和政策研究会）の政治資金パーティー裏金問題を巡り、同派の閣僚４人を交代させる方針を固めた。後任の人選にも着手した。同派の副大臣５人、政務官６人と合わせ計１５人を代える方向で調整する。事実上の更迭となる。党側では安倍派事務総長の高木毅国対委員長、同派の萩生田光一政調会長が交代する見通しだ。１３日の国会閉幕後の週内実施を検討している。政権関係者が１１日までに明らかにした。　（３面に関連）
　立憲民主党は１１日、安倍派の松野博一官房長官に対する不信任決議案を衆院に提出した。松野氏は１千万円超のキックバック（還流）を受けていたとされ、内閣の情報発信者の役割を果たせていないとした。
　安倍派議員は数十人が還流を受けていたとみられ、東京地検特捜部は派閥の事務方や議員秘書ら少なくとも１０人以上から任意の事情聴取を進めている。派閥全体での裏金の実態解明を進める。安倍派は党内最大派閥で、政務三役在任ゼロとなれば異例の事態。
　首相は１１日の参院本会議で裏金問題を問われ「原因や課題を把握し、国民の信頼回復の観点から必要な対応を取りたい」と説明。人事は「しかるべきタイミングに対応する」と述べた。１３日には国会閉幕に合わせた記者会見を、２２日には２０２４年度予算案の閣議決定を予定している。
　首相は本会議後、麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長と国会内で会談した。人事の構想を巡って協議したとみられる。４閣僚は松野氏と西村康稔経済産業相、鈴木淳司総務相、宮下一郎農相で後任は無派閥議員を中心に人選を進めるもようだ。