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窓ぎわのトットちゃん/シネマQ、シネマライカム・公開中/小さな身体に大きな夢


窓ぎわのトットちゃん/シネマQ、シネマライカム・公開中/小さな身体に大きな夢
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 「初の映画化なのに何故アニメ?」と思った私。
 1981年に出版した「窓ぎわのトットちゃん」は大ベストセラー。あまたの監督から映画化を打診されたが、黒柳はその全てを断った。
 映像になったとき、自分の伝えたいことが十分に伝わらないかもしれないと考えたのだという。なるほど実写版ではさまざまな規制がかかりそうなシーンが多々あり、ルールと忖度(そんたく)ではじき飛ばされてしまいそうだ。
 小学校1年で「困った子」の烙印(らくいん)を押されて退学になるも、トモエ学園と出会い「君はほんとうは、いい子なんだよ」と言い続けてくれる校長と出会うことでトットちゃんの人生は変わり始める。
 知らないことを知りたいと願う無垢(むく)な好奇心や、今ここにある小さな幸せを自分だけのものにしないトットちゃんの行動力と笑顔に何度泣かされたことか。小さな身体で大きな夢と勇気を持った少女に会いに行ってみてほしい。「みんな違ってみんないい」ということが本当によくわかる。監督は八鍬新之。(スターシアターズ・榮慶子)