自民党安倍派の政治資金パーティーの裏金問題を巡り、同派の鈴木淳司前総務相は15日、2018~22年の5年間で計60万円のキックバック(還流)を受けたと発表した。いずれも派閥事務所で秘書が現金で受け取ったという。近く政治資金収支報告書を訂正する。総務省内で記者団に明らかにした。鈴木氏は「派閥から交付された活動費と認識しており、収支報告書に記載しなければならないという発想に至らなかった。おわびする」と話した。議員辞職する考えがあるか記者団から問われたが、否定した。
鈴木氏によると、還流された60万円は、安倍派から鈴木氏に割り当てられたパーティー券の販売ノルマの超過分。鈴木氏のノルマは通常210万円だったが、新型コロナウイルス禍の20~22年の3年間は110万円に引き下げられ、主にこの期間に超過が生じた。還流された現金は鈴木氏の事務所で保管し、支出していない。一方、販売額がノルマに届かず、差額を自腹で穴埋めして安倍派に入金した年もあった。
鈴木氏は14日に総務相を辞職した。
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鈴木前総務相60万円還流 安倍派パーティー 議員辞職は否定
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琉球新報朝刊