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安保、経済で連携強化/岸田首相 7カ国首脳と会談


安保、経済で連携強化/岸田首相 7カ国首脳と会談 マレーシアのアンワル首相(左手前から3人目)と会談する岸田首相(右)=16日午前、首相官邸
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 岸田文雄首相は16日、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の友好協力50周年に合わせた特別首脳会議のために来日した7カ国首脳と「マラソン会談」に臨んだ。マレーシアのアンワル首相とは、同志国軍を支援する枠組み「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を適用し、同国軍に計4億円相当の救難艇やドローン供与で合意した。首脳会議は17日に東京で開かれ、安保や経済など幅広い分野で連携強化を確認。共同声明も発表する。
 首相は16日、インドネシアやマレーシアなどの首脳と官邸で個別に会談した。18日までの期間中に、他の参加国首脳とも会談する予定だ。
 アンワル氏との会談では外務・防衛当局間の戦略対話の実施も確認した。OSAの適用はフィリピン、バングラデシュに続き3カ国目。
 ブルネイのボルキア国王とは、脱炭素化に向けた協力推進で一致。シンガポールのリー・シェンロン首相にはデジタルなど産業分野での協力加速化を求めた。
 来年ASEAN議長国を務めるラオスのソンサイ首相と、ミャンマー情勢について連携を確認。東ティモールのグスマン首相に対しASEAN加盟に向けた人材育成を支援する考えを伝達した。
 ベトナムのファム・ミン・チン首相とは、南部ホーチミン市の都市鉄道整備で最大約412億円の円借款を供与することで合意した。インドネシアのジョコ大統領とも会談。同国の海洋安保能力の強化に向けて巡視船の供与を伝える見通しだ。
 特別首脳会議には、軍事政権下のミャンマーを除くASEAN加盟9カ国と、将来的な加盟が合意されている東ティモールも参加する。
マレーシアのアンワル首相(左手前から3人目)と会談する岸田首相(右)=16日午前、首相官邸