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日中友好貢献 角栄氏しのぶ/関係者シンポ


日中友好貢献 角栄氏しのぶ/関係者シンポ 中国の周恩来首相(左)と田中角栄首相=1972年9月、上海空港
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 田中角栄元首相=新潟県出身=没後30年の16日、中国の新潟総領事館などが「逝去30年を偲(しの)ぶ会及び中日関係シンポジウム」を新潟市で開いた。新旧の駐日中国大使や日本の関係者らが、日中国交正常化を実現した田中氏の功績をたたえた。
 呉江浩(ごこうこう)駐日大使は「田中首相は中国で最も尊敬されている日本の政治家」だとした上で、1972年に周恩来首相と交渉し国交正常化のために行った大きな決断を忘れていないと強調。努力して新しい日中関係をつくることが「一番の供養になる」と述べた。
 程永華(ていえいか)元駐日大使は「われわれが田中角栄先生をしのぶのは、平和友好の精神を忘れたくないからだ」とし、国際情勢が複雑化する今こそ「国交正常化時の初心を振り返らなければ」と訴えた。
 田中氏の長女田中真紀子元外相も登壇した。国交正常化交渉で北京に向かう際「お父さんは侵略戦争のおわびをしなければならない。(中国では)切られるか撃たれるか、毒を盛られるかも」と漏らすなど決死の覚悟だったとのエピソードを披露。「持って生まれた熱、使命感、決断と実行。それが田中角栄という人間だと私はみている」と話した。
 元首相は76年、ロッキード事件に絡み外為法違反容疑で逮捕され、受託収賄罪も含め起訴されたが、そうした負の側面は話題に上らなかった。
中国の周恩来首相(左)と田中角栄首相=1972年9月、上海空港