有料

北朝鮮ICBM発射/高度6000キロ超、完成度向上


北朝鮮ICBM発射/高度6000キロ超、完成度向上 北朝鮮の軍事パレードに登場したICBM「火星18」=7月、平壌(朝鮮中央通信=共同)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ソウル共同=渡辺夏目】北朝鮮は18日午前8時24分(日本時間同)ごろ、首都平壌付近から日本海側に固体燃料型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を高角度のロフテッド軌道で発射した。韓国政府が発表した。日本の防衛省によると、最高高度は6千キロ超で約千キロ飛行、北海道奥尻島から北西約250キロの日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定される。飛行時間は約73分間。被害は確認されていない。
 北朝鮮によるICBM発射は7月12日以来。日米韓当局は、発射の兆候があった新型の固体燃料型ICBM「火星18」の可能性があるとみて分析。7月に続き長射程の発射能力を誇示した形で、完成度が高まっている恐れがある。
 韓国軍によると、北朝鮮は17日夜には平壌付近から日本海に向け短距離弾道ミサイル1発を発射、約570キロ飛行した。2日連続の発射は、ミサイル情報の即時共有システム運用を近く始める日米韓や、北朝鮮への核報復訓練を計画する米韓の連携に反発する意図もありそうだ。
 岸田文雄首相は18日「地域の平和と安定を脅かすもので強く非難する」と述べた。日本政府は北朝鮮に厳重に抗議した。韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は国家安全保障会議(NSC)で「北朝鮮のいかなる挑発にも直ちに圧倒的に対応する」よう指示した。
 三宅伸吾防衛政務官は18日のミサイルに関し「弾頭重量などによっては1万5千キロを超える射程となり得る」と述べ、その場合、米国全土が射程に含まれるとした。17日のミサイルの飛距離は、米海軍の原子力潜水艦が17日に入港した韓国南部釜山と平壌の距離に近く、北朝鮮がこれをけん制した可能性がある。
 北朝鮮国防省は17日のミサイル発射後、戦略兵器展開などを話し合った米韓の核協議グループ会合を非難する報道官談話を発表。「敵対勢力の武力使用のたくらみは先制的で壊滅的な対応に直面する」と警告した。