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学術会議、法人化へ/政府年内決定 会議側は反対


学術会議、法人化へ/政府年内決定 会議側は反対 日本学術会議法人化方針のポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は18日、組織見直しを検討している日本学術会議について「国から独立した法人格を有する組織とする」との方針を示した。政府に科学的な観点から助言をする役割は変わらないが、会員選考や運営、活動の評価に外部有識者による委員会が関与する仕組みを新たに導入する。年内にも正式決定する見通しで、法制化に向けて具体的な制度設計に着手する。
 学術会議は科学者を代表する「国の特別機関」。2020年に会員候補6人の任命拒否を発端に、政府側が論点をすり替えるように組織改革を提起した。拒否の理由や経緯は、今後も明らかにされないままになりそうだ。
 有識者懇談会が今月13日、「法人化が望ましい」とする方向性を示し、内閣府はその内容をまとめた。法人化に反対する学術会議側は、国の機関のまま改革を進める案を示したが、活動の幅が広がる利点を重視した。
 政府案は、活動・運営の高い独立性を前提に、高い透明性と自立的な組織に必要なガバナンス(組織統治)を担保すると明記。現在の会員が新たな会員を選ぶ現行方式に、学術会議会長が任命する「選考助言委員会」から意見を聞く仕組みを加える。活動評価は政府側の担当大臣が任命する「評価委員会」が第三者の立場で意見を述べる。有識者懇の岸輝雄座長(東京大名誉教授)は「国の特別機関でなければいけない理由について、納得できるものは示してもらえず残念だった」と述べた。