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過去には内閣総辞職も 規正法、なお抜け道多く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 「政治とカネ」を巡る事件はこれまでも繰り返され、元首相が起訴されたり、内閣総辞職につながったりするなど大きな混乱と国民の政治不信を招いてきた。政治資金規正法は事件を受けて度々改正されたが、なお抜け道の多さも指摘される。
 1976年、米ロッキード社が航空機を売り込むため、日本や欧州などの政府高官らに巨額の資金提供をしていたと米議会で発覚。東京地検特捜部は同年9月までに受託収賄や外為法違反などの罪で田中角栄元首相を含む計16人を起訴した。95年までに11人の有罪が確定し、5人が死亡により公訴棄却となった。
 88年には、リクルート社から、関連不動産会社の未公開株が政財官界の有力者に譲渡・売却されていたことが判明した。藤波孝生元官房長官らが受託収賄罪で起訴され有罪が確定。89年6月、竹下登内閣は総辞職した。
 さらに91年、東京佐川急便から指定暴力団稲川会系企業などへの不正融資が表面化。政界工作疑惑にも発展し、渡辺広康元社長から5億円の闇献金を受けた金丸信元自民党副総裁は92年、政治資金規正法違反罪で略式起訴され、罰金。93年には別の脱税容疑で逮捕、起訴された。
 2004年、橋本派(現茂木派)の政治団体「平成研究会」が日本歯科医師連盟からの1億円の政治献金を政治資金収支報告書に記載していなかったことも発覚。村岡兼造元官房長官は政治資金規正法違反罪で有罪判決が確定した。
 昨年には、収支報告書の政治資金パーティー収入を実際より少なく記載するなどしたとして政治資金規正法違反の罪で自民党の薗浦健太郎元衆院議員が略式起訴された。