<金口木舌>ごう慢な「隣人」の「正義」


<金口木舌>ごう慢な「隣人」の「正義」
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 記事を書いている時、単位を換算しながらふと疑問が湧いた。嘉手納基地を離陸した戦闘機が飛行中にパネルを落とした件で米軍に問い合わせたところ「インチ」や「ポンド」を用いて部品の仕様を回答してきたからだ。ここが日本でも「そっちが合わせろ」ということか

▼ただ、こちらも尺・貫の単位で質問するかといえば、それも非現実的。小言は置いて、より大切な部分を。米軍は回答で落下地点が民間地上空ではなく「海上」だと推定した。根拠を再質問したが「保安」を理由に答えなかった
▼翌日には地元の中止要請を押し切って嘉手納基地で降下訓練を強行した。伊江島補助飛行場の滑走路の整備状況が降下に適さないためという。滑走路の何が問題なのかを尋ねた同僚にも「保安」を理由に答えなかった
▼説明責任を果たすつもりもないのか。事故への謝罪もなく「開かれたインド太平洋」を守るためだと訓練の意義を強調するばかり
▼こっちは「開かれたインド太平洋」以前に地域住民の「平穏」がない。この感覚のずれも不信の根源である。