元気になるフランス映画というのは私の中では珍しい。そして本作はその珍しい部類であり、なんと実話。破産寸前の農場を救うべく、オーナーのダヴィッドがひらめいたのは農場にキャバレーを作ること。無理やり頼み込んできてもらった町のキャバレーの踊り子を中心に、計画は進んでいくが、素人よりの芸能集団に、誰もがその先行きを危ぶんでいた。
トラブル続出の展開に、「こりゃ、無理だろう」と一緒に白旗をあげそうになる。だが、必死に頑張る人の所には応援団が集まってくるものだ。試写中の暗闇でひとり、ドキドキ、ハラハラとこぶしを握りながら私も応援を送っていた。クライマックスでは「ヨッシャー!」と遠慮なくガッツポーズ。
稀有(けう)な出来事だから映画になるのだろうが、それにしてもダヴィッドの発想は斬新でユニーク。労働後に村の人々が求める夜の時間は笑いに満ちていて、幸せと元気のおすそ分けをいただく。監督はジャン=ピエール・アメリス。(スターシアターズ・榮慶子)
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幸せと元気おすそ分け ショータイム! シネマパレット シネマプラザハウスで公開中
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琉球新報朝刊
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