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教員初任給5.9%上げ/24年度予算案 公立小中、国負担増額


教員初任給5.9%上げ/24年度予算案 公立小中、国負担増額 政府の2024年度予算案の主な事業
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府が2024年度予算案の一般会計に計上する主な事業が21日、分かった。「物価高に負けない賃上げ」を目標に掲げ、公立小中学校の教職員給与に充てる国の負担金を増額して、初任給を5・9%引き上げる。大卒の標準的な初任給は22万円程度に増える。歳出(支出)総額は112兆700億円程度とする。22日に閣議決定する。
 新型コロナウイルス禍からの景気回復を途切れさせず、物価上昇を超える賃上げを実現し、経済の好循環につなげる予算案と位置付けた。ただ歳入(収入)の3割は国債を新たに発行して確保する。24年度も借金依存の予算案となり、財政再建への道筋は見えない。
 国は公立小中学校の教職員給与の3分の1を負担することになっている。24年度は、国の負担金を前年度から412億円増やして1兆5627億円とする。
 医師や看護師らの人件費などに当たる診療報酬の本体の引き上げや、保育士らの処遇改善も盛り込む。突然の出費に備える予備費は前年度に比べ4兆円減の1兆5千億円とし、このうち1兆円は「物価・賃上げ促進予備費」とする。
 教育・科学技術分野では、人工知能(AI)や量子技術などの最先端分野に取り組む若手研究者を手厚く支援する。このため、科学技術振興費を150億円多い1兆4092億円とする。
 有事への備えも充実し、尖閣諸島周辺の領海の警備を強化するため、海上保安庁の予算を180億円増やして2611億円とする。
 歳入の柱の税収は69兆6100億円程度と見積もった。消費税の税収は物価高で押し上げられ、過去最高の約23兆8千億円になる見通しだ。歳入不足を穴埋めする国債は34兆9500億円程度発行する。