浦添市のボウリング場。ボールの流れる音とピンの倒れる音が場内に響きわたる。1フレーム目でストライクを出し、周りとのハイタッチに応じていたのは、宜野湾市身体障がい者福祉協会副理事長の田場上さん(68)=同市。同協会が主催するボウリング大会に参加し、周りとの会話を弾ませながらボールを投じていた。
生まれつき強度の弱視で人の輪郭はほぼ見えない。沖縄盲学校に進学し、マッサージ師の免許を取得した。その後、宜野湾市内の病院で42年間リハビリ助手として勤務している。「学生の頃からリハビリ助手を志していた。好きな仕事に就けることはなかなかない」とやりがいを語る。患者の歩行練習の同行や筋力訓練の介助をしている。
田場さんが副理事長を務める同協会は、障がい者への理解と就労支援を目的に活動する団体で、当事者ら約60人が所属する。ボウリング大会は交流の機会を設けたいと会議で持ち上がったという。初めての試みだったものの会員らが和気あいあいとする姿に「いいんじゃない」と満足そうな表情を浮かべた。
2014年と16年には全国障害者スポーツ大会にも出場した経験を持つ田場さん。200メートルでは金メダルを獲得した。「とても楽しかった。東京パラリンピックを目指す人もいて刺激になった」と当時を振り返る。三線も得意で琉球國民謡協会のコンクールでは最高賞を受賞したほどの腕前だ。好きな民謡は「すみなし節」だという。
「いずれはゆっくり休んで列車の旅をしてみたいね」。そう話し、ボウリングのアプローチに向かった。
(渡真利優人)
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交流の機会 増やしたい 宜野湾市身体障がい者 田場 上さん 福祉協会 副理事長
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琉球新報朝刊
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