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「クリスマス、祝う気には…」 /ベツレヘム ガザ戦闘の影響大きく


「クリスマス、祝う気には…」 /ベツレヘム ガザ戦闘の影響大きく 訪れる人がまばらな聖誕教会=21日、パレスチナ自治区ベツレヘム
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 イエス・キリストの生誕地とされるヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムで、クリスマスシーズンの巡礼・観光客が激減している。例年12月は多くの人でにぎわうが、今年はイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘を受け、聖夜直前でも閑散。恒例の巨大ツリーも設置されず、地元住民は「毎日大勢が亡くなり、祝う気にはなれない」と漏らす。
 世界遺産に指定されている聖誕教会と巡礼ルートはベツレヘムの人気観光地だ。特に12月は混雑し、教会内の「キリスト生誕場所」には長蛇の列ができるが、21日に訪れた際はほとんど観光客がいなかった。教会前の広場に設置される名物のクリスマスツリーもない。
 聖誕教会に隣接する聖カテリナ教会では24日深夜にミサが営まれるが、自治区ガザでの戦闘を受け、ベツレヘム当局は「街でのお祝いは制限する」と表明した。10月7日の戦闘開始以降、イスラエルは西岸でも警戒を強め、住民の移動は大幅に制限された状態が続く。
 近くのレストランも空席が目立つ。経営するキリスト教徒のラムジーさんは、イスラム教徒の従業員の隣で「異なる宗教でも一緒に生きていける。お祝い気分にはなれないが、クリスマスには平和を祈る」と語った。 (ベツレヘム共同)

訪れる人がまばらな聖誕教会=21日、パレスチナ自治区ベツレヘム