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塩谷氏から任意聴取 特捜部 安倍派「二重帳簿」運用か


塩谷氏から任意聴取 特捜部 安倍派「二重帳簿」運用か 政治資金パーティー事件の構図
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、東京地検特捜部が安倍派(清和政策研究会)の塩谷立座長を任意で事情聴取したことが24日、関係者への取材で分かった。裏金づくりへの関わりについて認識を確認したとみられる。派閥が本来のパーティー収入を記した資料とは別に、議員側への還流額を反映させた資料を作成していたことも判明。実質的な「二重帳簿」で裏金を管理、運用していたという。
 還流額について、派閥側と議員側の認識に差があるケースが多くあることも分かった。特捜部は家宅捜索で押収した資料を精査するなどし、政治資金収支報告書への不記載額を確定させる。
 安倍派では、パーティー収入の総額のうち、議員側のパーティー券販売ノルマ分のみ収支報告書の収入に計上、超過分は記載せず、議員側に還流させた際、支出にも記載していなかった。受領議員側も収入として書いていなかった。
 会計責任者が還流の実務を担い、議員側に現金で手渡しすることもあった。その際は議員側に受領を示す書面を書かせ、裏金になった分を管理していたという。2017年の収支報告書まで担当した前任者から、こうしたやり方を引き継いだとみられる。
 安倍派では(1)ノルマ分だけを派閥に納め、残った分は手元にプールし事実上の還流とする(2)議員側に支払われた代金の全額を派閥に納めた上で、ノルマ超過分を還流させる―などの手法があったとされる。