<金口木舌>デジタルで絆を再構築


社会
<金口木舌>デジタルで絆を再構築
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 1982年卒の名護高校37期生は、名護市大南の旧校舎で過ごした最後の卒業生。卒業の頃、ヒットした松田聖子さんの曲になぞらえ「赤いスイートピー世代」と呼ばれているという

▼卒業後、それぞれの道を進み、一度も集まることはなかったこの世代がこのほど、初めての同窓会を開いた。県外、海外在住者も駆けつけ、約140人が初恋談義など思い出話で盛り上がった
▼コロナ禍で、同期生の交流の場がSNS上で立ち上がったことがきっかけ。行動が制限される中、ネット上での輪が広がり、連絡網は海外へと波及していった
▼卒業から42年、37期生は還暦の「赤いちゃんちゃんこ」世代を迎えた。家庭、仕事に追われ、せわしく過ごす中で、コロナ禍の時間は、歩みを振り返る機会を与えてくれたのかもしれない
▼名護高校章は前身の県立三中時代、近くにあった老大木「郡松(ブリマーチ)」がモチーフの一つとなった。時代が変わり、学び舎(や)の面影はなくとも、母校への思いは変わらない。デジタル技術は絆の再構築にも一役買ったようだ。