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認知症 当事者の不安学ぶ 那覇・高良自治会 医師招き講演会


認知症 当事者の不安学ぶ 那覇・高良自治会 医師招き講演会 認知症の症状やケアについて語る下山直登医師(左端)=10日、那覇市の高良自治会館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 那覇市の高良自治会は10日、高齢化が進む地域でも認知症の人が健やかに暮らせることを考える講話会(NPO法人グランアーク主催)を高良自治会館で開いた。広島県を中心に沖縄でも認知症患者の訪問診療を続ける医師で、グランアーク代表の下山直登さんが「認知症と認知症の人の理解」を演題に講話した。
 下山医師は認知症になる病気は70種類ほどあり、80歳以上だと4人に1人、90歳以上だと2人に1人が複合的な認知症になると説明。高齢社会では「歳を取ったらそんなものよ、という考えも大事。皆が病気を理解して安心して生活できる対応を身につけてほしい」と語った。
 アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などでは、話を取り繕うことや幻視、感情を抑えられない症状もあると説明。介護者にもストレスが生じるが、症状の進行により当事者が抱く不安や恐怖、孤独感に思いを寄せつつ「物忘れや失敗を改善することではないなど、治療目標を考えてほしい」と語った。
 認知症の人の言動は、介護者の言動の映し鏡となる部分もあるとし、「介護の負担が大きい場合は施設入所も検討してみてほしい」と呼び掛けた。
 (嘉陽拓也)