<金口木舌>北谷の大東ようかん


<金口木舌>北谷の大東ようかん
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 年末年始にクリスマス会や餅つき会を開く自治会も多いが、北谷町美浜区自治会はちょっと風変わりだ。シンメーナービ(大鍋)を使った大東ようかん作りが年末の恒例となっている

▼今年も公民館や広場に20人近くが集い、5時間をかけて大量の小豆を煮た。交代制でへらを回し、休憩組はベンチに腰掛けてゆんたくする様子はなんとも牧歌的だった
▼ようかん作りを始めたのは約10年前。南大東島から移り住んできた平良良子さん(88)が、岡村悦子区長らに配った大東ようかんが評判で、「作り方を教えてほしい」と依頼されたのがきっかけ。気付けば年末の恒例行事となった
▼甘い大東ようかんは正月のお茶受けとして区民に配られている。最近は作り方を覚える区民も増え、長年教えてきた平良さんは「監督」として作業を見守る
▼区画整理などで古い集落は姿を変え、集合住宅も増えている。自治会の加入率低下にも影響を与えている。そんな変化の中で地域の「新入り」を温かく迎え入れ、刺激を楽しむ活動に自治会の活路を見た気もした。