<金口木舌>ジンガムイにともる希望の光


社会
<金口木舌>ジンガムイにともる希望の光
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 名護市東江の森「ジンガムイ」の漢字表記が「神ケ森」と決まったのは2020年のこと。「ジン」は「神」「銭」「陣」と表記が分かれていたが、区民の意見を聞き取り「神」と定まった

▼東江の人々は古くから、この森を神としてあがめてきた。戦前は樹齢100年超の松など大木が覆い、地域の憩いの場だった。その木々は戦時中に伐採され、資材として使われた
▼「変わり果てた姿に、ただあぜんとした」。終戦直後の様子を、元名護市長の比嘉鉄也さんは自分史で回顧する。戦後、市民らの手で桜や松の植樹が進んだ。平和を願い建立された観音菩薩像が名護の街を見守る
▼神ケ森で7日、新春の風物詩の光文字がともされた。新成人が選んだ漢字は「明」。コロナ禍で青春時代の行動を制限された世代。実行委員会は「明るい未来をつくっていく」との決意を込めた
▼能登半島地震や航空機事故と、年始から悲しいニュースが飛び込む。再生した森と、背後に浮かぶ文字を見て願う。北陸の平穏と、人々の暮らしに明るい光が差すことを。