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「おい、沖縄!」記者に浴びせられた言葉 「代執行されても仕方ない」 辺野古巡り深い溝<歩く民主主義 100の声~那覇空港編ルポ②~>


「おい、沖縄!」記者に浴びせられた言葉 「代執行されても仕方ない」 辺野古巡り深い溝<歩く民主主義 100の声~那覇空港編ルポ②~> 政府が特定利用空港に指定した那覇空港(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 那覇空港で県民50人、県外の人50人にそれぞれ聞いた辺野古新基地建設を巡る三つの質問。沖縄を訪れる県外の人が、必ずしも基地問題に関心があるとは限らないことが浮き彫りになった。

 那覇空港で辺野古新基地建設に関する取材をしていると荒々しい言葉も浴びる。

 「おい、沖縄は玉城をなんとかしろよ!」

 キャリーケースを持った中年男性は、別の人を取材中の記者にそう吐き捨てて立ち去った。「玉城」とは玉城デニー知事のことだろう。

 福岡県から旅行で訪れた公務員の男性(60)も「玉城知事の発言は気に障る。『民意、民意』と言うけれど、どこからか流れてきた左翼団体の人のことばかりを聞いているのではないか。代執行されても仕方がない」と話した。

 ただ、事実は次の通りだ。

 名護市辺野古での埋め立て工事を承認した仲井真弘多知事(当時)は2014年11月の知事選で、「オール沖縄」の支援を受けた翁長雄志氏に敗れた。沖縄の知事選では「辺野古反対」を掲げた候補が3連勝中。

 辺野古の賛否を問う19年2月の県民投票では反対が72%を占めた。

 「辺野古が唯一の解決策」という国への抵抗は、県民の民意に裏打ちされている。