prime

「やっているのは東京だろ。沖縄じゃない」県内在住者が返した異論 ”当事者”は誰なのか<歩く民主主義 100の声~那覇空港編ルポ③~>


「やっているのは東京だろ。沖縄じゃない」県内在住者が返した異論 ”当事者”は誰なのか<歩く民主主義 100の声~那覇空港編ルポ③~> 年末の帰省や観光客らで混雑する那覇空港=2023年12月30日(喜瀨守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎

 静岡県から旅行中の40代会社員男性は「県が『反対』という話はちょいちょい聞いていたが、国が代執行をやるとは知らず、びっくりした」と驚き、「なんでそんな無理なことをするのか」と岸田政権の手法に疑問を呈した。

 今回の代執行を「知らない」と答えた県外在住者24人も、その後の質問で14人が「辺野古反対」、16人が「県民の民意優先」を選んだ。

 全体でも辺野古新基地建設の「反対」が県内・県外ともに29人と多数派で、「賛成」は県内13人・県外12人。「国の安全保障」と「県民の民意」のどちらを優先するかについても県内、県外で同じ傾向だった。

 ただ、同じ「辺野古賛成」でも理由が異なる。

 「本当は反対だが今更という思い」(糸満市の66歳の男性会社員)

 県内在住者が主に諦めをにじませるのに対し、県外在住者には「傍観者的な感じ」(熊本県の70代女性)が見え隠れする。

 大阪府の男性会社員(52)は「他に移転先がないなら、現実的な選択肢を選んだ方がいい」と冷ややかだ。

 代執行を知らなかった福岡県の50代主婦は「県民も大変ですよね」と口にしたが、辺野古の賛否は「県外なのでなかなかどちらとも言えない」と明確にしなかった。

 「いま、沖縄で代執行が行われているのですが…」と記者に尋ねられた県内在住者の男性は異論を唱えた。

 「沖縄で起きているんじゃない。やっているのは東京だろ」