<金口木舌>心に平和のとりで


社会
<金口木舌>心に平和のとりで
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 文化遺産を破壊し尽くした戦争の反省から1946年に発足した国連教育科学文化機関(ユネスコ)。憲章で「人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」と遺産保護の意義を掲げる

▼北中城村で初となる公認観光ガイド21人が先日誕生した。村の歴史文化などの地域資源を頭にたたき込み、晴れて観光客の案内を担う
▼北中城は華やかな「観光スポット」は少ないが、エイサー曲「仲順流り」にも登場する仲順地域を治めた仲順大主の墓や、喜舎場村の創設者である喜舎場公の墓、人々の命をつないできた湧水や伝統の棒術などがある
▼村の歴史は今も謎が多いが、「協力一致」など地域に継承されてきた教訓もある。文化をたどる旅はその精神性を学び、自身の内面とも向き合う深い体験を楽しめそうだ
▼ガイド養成講座に協力したのが、村教育委員会文化振興係の山城彰子さん。認定式で「この争いの時代に歴史と文化を愛することは、一つの平和運動だ」と激励した。北中城の魅力を多くの人が感じ、平和の種も育つよう期待している。