<金口木舌>やんばるで芽吹くアート交流


社会
<金口木舌>やんばるで芽吹くアート交流
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国頭村奥間の喫茶「あがち森」の一角で11日、約50センチの巨大なカエルの陶芸作品が焼き上がった。レンガを積み上げ、赤土の国頭マージで隙間をふさいだ即席窯で製作したのは陶芸家の山本結沙さん(27)

▼大阪府出身で琉球大在学中に、やんばるに魅せられた。窯元で修行した後、大宜味村の工房「いちむし堂」で生き物を描いた作品を創作している
▼巨大なカエルは18日から東村の山と水の生活博物館で開催される企画展で展示する。「レッツ!やんばる展」と題し、山本さんら20代が生き物をテーマとした作品を並べる
▼本島北部を拠点とする若いアーティストの交流の中から企画が生まれた。山本さんによると、写真家や画家などさまざまだが、芸大や美大出身者はいない。「やんばるを愛し、テーマを持って作品を生み出す仲間」だという
▼仕事をしながら製作を続ける者もいる。豊かな自然や人情、芸術家同士の交流が若い感性や創作意欲を刺激しているのであろう。若者たちのアート交流。やんばるの新たな魅力づくりにもつながるはずだ。