<金口木舌>暮らしの圧迫はもうご免


社会
<金口木舌>暮らしの圧迫はもうご免
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 経験から来る直感というものがある。基地問題での「なし崩し」の構造を何度も見てきた県民は特に敏感だろう

▼うるま市石川の住宅地そばのゴルフ場跡地に自衛隊の訓練場を整備する計画に反対が巻き起こっている。国は住民説明会で訓練では空包を使わず、ヘリも緊急時以外は使用しないと説得材料を開陳してみせた。だが住民からは「訓練が後付けされるのではないか」と不信の声が相次ぐ
▼与那国の自衛隊も当初計画はレーダー監視部隊だったが、結局ミサイル部隊の配備計画が進む。在日米軍の区域外訓練も、国はかつて「不可」としてきたが、今では容認するに至った
▼皮肉にも訓練場予定地のゴルフ場跡地から車でわずか15分の距離に、米軍人用の余暇施設「タイヨーゴルフクラブ」がある。日本政府の思いやり予算で整備したが、こちらも「なし崩し」に格安で日本人客を入れ、「民業圧迫」を指摘されてきた
▼経営を圧迫されたゴルフ場の跡地に自衛隊の訓練場を造るより、この米軍ゴルフ場の返還が先では。生活への圧迫はもうごめんだ。