＜金口木舌＞好景気に突入か

　日経平均株価が初の4万円台に突入し、株式市場は活況を呈している。新たな少額投資非課税制度（NISA）のスタートも追い風となり、投資熱が高まっているようだ

▼日本は空前の好景気に突入か―。株高でそんなことが頭に浮かぶが、この間に発表された各種経済指標や生活に関する統計を見ていると、必ずしもそうとは言い切れない
▼労働者が給与で購入できる物品やサービスの量を示す実質賃金。沖縄の2023年の数値は5.5％減った。物価上昇に賃上げが追いついていないのが現状で、生活はむしろ苦しくなっている
▼23年の生活保護申請は過去最多の25万5千件に達
したという。「富む者はさらに富み、貧しき者はさらに貧しくなる」。マルクスが残したこの言葉。目指したはずでもないのに、そこに向かっているように思えてならない
▼株高も実体経済を反映していなければ長続きはしない。幸い県内景況は回復基調にある。期待するのは賃上げ、消費増、収益拡大という好循環。その日が来てほしいと念じつつ、株価の動きを見ている。