<金口木舌>クイナを守る抜本策は


<金口木舌>クイナを守る抜本策は
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 5月1日から、ヤンバルクイナの交通事故対策を強化する「STOP!ロードキル月間」が始まる。繁殖期のこの時期は活動が活発化するため、官民連携で対策に取り組む

▼今年は繁殖期に入るのが早く、4月20日時点で事故件数は前年同期比3件増の10件。ここ10年間でも多いペースだ。対策が進むが事故件数は近年「下げ止まり」の感もある。クイナを守る抜本策はあるだろうか
▼今月23日の関係機関による連絡会議では、新たな技術導入に向けた取り組みとして「クイナ・カーアラート」の開発が報告された。車両の通行を感知し、光を放ってクイナを追い払うという仕掛けだが、現時点では試行段階のようだ
▼台湾企業が開発した「超音波鳥獣避け装置」の説明会も国頭村役場で開かれた。高温多湿の山中で故障が多発すれば保守費用もかかるとの声も。先進技術の導入はまだまだ先になりそう
▼新技術の導入よりも待たれているのは運転者の心構えに違いない。やんばるの生き物を守るため、まずは「ゆっくり走ろう やんばる路」の実践だ。