<金口木舌>コミュニケーションの多様性


<金口木舌>コミュニケーションの多様性
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 事件記者の頃、先輩から「携帯の着信音は優しい音楽にしたほうがいい」とアドバイスを受けた。仕事柄、夜間や休日でも電話が鳴る。穏やかな着信音なら、ストレスが少し和らぐと話していた

▼携帯電話は便利だが、リラックスした気持ちを着信音が妨げることもある。休日や勤務時間外は、仕事の電話に対応したくないとの考えから「つながらない権利」も叫ばれている
▼ソフトバンクの調査によると、約4割の人が「電話は苦手」と感じている。相手の顔が見えず、緊張することなどが理由だ。20代の約8割は電話より文字のコミュニケーションを優先したいと考えているようだ
▼メールや無料通信アプリなど、一昔前に比べて連絡手段は多様化した。文字を使った連絡なら、自分のタイミングで対応できるなど利点もある。電話以外にも選択肢は多い時代だ
▼電話の良さを理解しつつ、苦手意識を持つ気持ちにもうなずける。仕事でも私生活でも、互いにストレスの少ない方法でコミュニケーションが取れれば、良好な人間関係を築けるはずだ。