<金口木舌>カレーとチャンプルー


<金口木舌>カレーとチャンプルー
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 カレーが食べたくなり、那覇市内のネパール料理店に入った。ネパールの食材があふれ、店員も客もネパール人。メニューに「ネパール人が毎日食べるランチ」とあり、思わず注文する

▼運ばれてきたのは2種類のカレーとライス。隣の男性客は同じ料理を手で食べている。思い切って「食べ方を教えて」と言うと、男性はにっこり笑って「いいよ」
▼スープのようなカレーをライスにかけ、しっかりと手で混ぜる。ライスは熱いがぐっと我慢。人さし指と中指と薬指の腹に載せたライスを、親指で押し出しながら口に入れるのがコツだ
▼食べ進めると2種類のカレーが混ざり、味に深みが増す。「おいしい」と言うと、男性から「ありがとう」と返ってきた。自国の食文化を認めてくれたことへの感謝なのだろう
▼在日ネパール人は急増し、今や15万人を超える。その姿が、かつて海外に雄飛した世界のウチナーンチュに重なる。現地の文化になじみながら、沖縄文化も継承した。今度は海外の人を受け入れる番。文化のチャンプルーは沖縄の得意分野だ。