<金口木舌>気象の法則


<金口木舌>気象の法則
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 北半球で風が吹く方向を背にして立つと、低気圧の中心は左方向にある。オランダの気象学者ボイス・バロットが提唱した風向きと低気圧の関係を示す法則で、航海にも使われてきた

▼5~7月の梅雨の時期、前線からの距離で天気を予測できる「七五三の法則」。距離が300キロだと雨、500キロだと曇り、700キロだと薄曇りと、大まかに予測できるそうだ

▼名護の漁師は空を見上げ、天気を予測する。名護湾に「カジヌニー」(風の根)と呼ばれる光線が現れることがある。台風接近など天気が大きく崩れる前触れで、光線の幅が大きいほど風雨が強いという

▼「テレビの天気予報よりも参考になる」とはベテラン漁師の弁。名護城から差す朝日の強さで雨が予測できるという。冬に星の瞬きがあると、翌日は大しけ。経験を積み重ね、さまざまな知恵を身につけてきた

▼先月末、過去7番目の遅さで台風1号が発生し、南北大東に襲来した。台風発生が遅れると、高頻度で発生するという見方もある。こちらの「法則」は外れてほしいところ。