<金口木舌>2度目の優勝、涙雨


<金口木舌>2度目の優勝、涙雨
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 うるま市出身の25歳、新垣比菜選手が2度目の国内女子ゴルフツアー優勝を果たした。米メジャー大会で奮闘する渋野日向子、畑岡奈紗両選手らと同じ1998年度生まれの「黄金世代」

▼19歳の国内初制覇から低迷を経ての復活は「初優勝みたい」。雨の中、通算14アンダーで終えると、支えてきたキャディーの兄はむせび泣いた。同じ大会では那覇市出身、出産を経た34歳の宮里美香選手も5位と健闘した

▼「黄金世代」があこがれた宮里藍さんが32歳で引退したのは7年前。国内15勝、米9勝で世界ランク1位も取ったが惜しくも米メジャー制覇には届かなかった

▼世界最高峰の米ツアー参戦11年だけで偉業だ。後半はイップスやモチベーション維持の困難に見舞われた。礼儀正しく、10代からゴルフ界の顔を担い続けた重責を思う

▼新世代も現れた。日本人初、米メジャー2大会Vの笹生(さそう)優花選手は「ポスト黄金世代」と言えようか。日本とフィリピンの国籍から日本を選択した。本人いわく「故郷は二つ」。彼女らの生き方は新しい時代を刻む。