県病害虫防除技術センターは7日までに、宮古島と伊良部島で調査した、ほ場20カ所の7割、多良間島では20カ所全てで、サトウキビの成長を阻害する黒穂病を確認した。宮古群島は県内生産量の約45%を占める。病原菌は風雨で分散するため、今後も被害拡大が予想され、次年度の収穫量の減少など深刻な影響を及ぼす懸念が強まっている。
同センターは6日に宮古群島に注意報を発表。多良間島では昨年10月に続き、宮古島では2016年度以来の注意報で、発病株の焼却や鞭(むち)状体の出現した茎の抜き取り処分のほか、発病ほ場や隣接ほ場から採苗しないよう呼びかけている。
病原体は糸状菌の一種で、発病株は茎が細くなり先端部が黒い鞭状体(黒穂)になる。同センターによると、宮古島と伊良部島では、ほ場14カ所で確認し、全体の3・5%の株が発病していた。多良間島の発病株率は19・3%だった。一部ほ場では70%を超えていたという。
現在、鹿児島県の奄美地域でも広がりを見せ、注意報が出ている。
(新垣若菜)