11月の米大統領選で再選を目指すトランプ氏。今回も「アメリカ・ファースト」を掲げるのだろうが、よその国はどうでもいいという自国第一主義は困る
▼例えば2020年のパリ協定の離脱。地球温暖化対策の国際枠組みだが「コストが高くつく」との理屈で離脱した。政権交代で復帰したが、独りよがりな振る舞いは考えもの
▼有機フッ素化合物PFAS問題も気になる。東京都の多摩地域の水道水源の井戸で高濃度PFASが検出されており、米軍横田基地が汚染源として疑われている。米軍は現在、井戸水と都水道局の水道水を併用している
▼自国第一主義がここに顔を出す。米軍は水道水への全面切り替えを検討していると東京新聞が報じた。水道水に切り替えれば米軍は汚染源を特定せず、除染もせずに済む
▼専ら水道水を使う在沖米軍も同類だ。県が求める立ち入り調査を拒む一方で、PFAS濃度の低減処理を県に任せる。沖縄にはびこる「アメリカ・ファースト」はほかにもあり、戦後一貫して続いてきた。そろそろ終わりにしてはどうか。