琉球新報朝刊 取材で訪ねる市町村役所の女性管理職が一昔前と比べて増えた気がする。心の中で勝手に応援歌を口ずさむ。首長や議員は、まだ少ない
▼報じる側もいつまで「女性初」「女性で何人目」と数え続けるのか心に引っかかっていたが、中城村長選で県内初の女性村長が誕生した。自治体首長では３人目。県議選は過去最多の８人が当選した。新鮮な風が吹いた
▼「涙は女の武器」と言われるのが嫌で、仕事でしくじると陰で泣き、友と愚痴を言い合った。果たしてその言葉は死語となったか
▼世界経済フォーラムの男女格差（ジェンダー・ギャップ）の最新報告によると、日本は１４６カ国中１１８位。教育や健康で平等がほぼ達成されたが、政治や経済での女性進出の遅れは著しく、日本を男女格差国に押し上げる
▼物価高騰や生活苦によって弱い立場の人はもっと生きにくくなる。働く場でも男性の下に置かれることを余儀なくされる女性は多い。陰で泣いていよう。そんな彼女たちの涙を軽んじず、寄り添いたい。身の回りでできることが、きっとある。
