＜金口木舌＞選手が主役の大会に

　兵庫県の木村啓嗣さんが今月、ヨットで単独無寄港・無補給の世界一周を24歳で達成し、日本人最年少記録を更新した。高校時代はヨット部で国体に出場するなど腕を磨いた

▼最近、国民スポーツ大会（国スポ、旧国体）の在り方の見直しを求める声が上がる。開催地の財政負担が大きいことが背景にある。持続可能な大会にするために何をすべきか議論が必要だ

▼日本中学校体育連盟は全国中学校体育大会（全中）で、ハンドボールなど９競技の取りやめを決めた。教師の負担軽減や少子化が要因だが、競技団体からは戸惑いの声も上がる。子供たちの活躍の場がなくなれば残念だ

▼国スポは改革に向け有識者会議を発足する。全中で取りやめ対象となった競技は代替大会の開催を検討する。大会で技術を高めれば、木村さんのように世界に羽ばたく人材も育つだろう

▼沖縄の子供たちも全国を目指し汗を流す。目標へ突き進むことは人生の大きな糧になる。時代に合わせて大会を改革する必要性は理解できるが、選手が主役であることを忘れないでほしい。