<金口木舌>エイサーの夏、ちむどんどん


<金口木舌>エイサーの夏、ちむどんどん
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 夕暮れ、三線やパーランクー、ドラの音が近づき、道ジュネーをする沖縄市胡屋・仲宗根共有会の獅子舞がやって来た

▼途中、地域の長老らが獅子頭にお神酒をささげて祈り、大事そうになでる。誇らしげな獅子の顔。小さな子が吹くほら貝の音。得した気持ちで社に戻る

▼その日、うるま市勝連のホワイトビーチに米海軍の原子力潜水艦が寄港したと知る。復帰後653回目。放射能計測は「異状なし」。沖合ではパラシュート降下訓練実施の予告もある。これもいかつい沖縄の顔

▼お盆時期の風物詩のエイサーだが、人により“騒音”に聞こえることもあり、夜におちおち練習もしづらくなったと聞く。若者たちも地域の理解を得ようと必死だ。そもそも青年会の存続が困難な地域もある

▼そんな彼ら彼女らの大舞台、第69回沖縄全島エイサーまつりがきょう夜、ゲート通りの道ジュネーで開幕する。そして米軍は夕方以降、嘉手納基地でパラシュート降下訓練を構える。どれもこれも沖縄の顔だが、武器を振り回すより、太鼓のばちを振る方が楽しく、平和的。本祭までの3日間、コザの街をエイサーで染め上げよう。