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浸水想定域の仮設被害 能登豪雨、輪島の4カ所 死者8人 捜索続く


浸水想定域の仮設被害 能登豪雨、輪島の4カ所 死者8人 捜索続く 豪雨による浸水被害に見舞われた、石川県輪島市の宅田町第2仮設住宅団地。上は河原田川=22日
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 石川県能登半島の記録的豪雨により、元日の地震で自宅が被災した人が入る仮設住宅団地6カ所で床上浸水の被害が発生、うち輪島市の4カ所が大雨による洪水リスクが高い想定区域に立地していることが24日、分かった。これまでに指摘されていた立地のリスクが現実になった形だ。避難誘導が十分だったかなどの検証が求められそうだ。 (21面に関連)
 度重なる被災で入居者の生活再建の遅れが懸念され、県と市は今後の住まいに関する意向を確認する。他の団地でも床下浸水の被害があった可能性があり、県や地元自治体が調査する。輪島市は、浸水した団地の住民らをホテルや旅館などに2次避難させる方向で県と調整している。
 県や消防によると、珠洲市大谷地区の土砂崩れ現場で新たに1人が見つかり死亡が確認され、豪雨による死者は8人となった。行方不明者は2人。県によると、連絡が取れなくなっている安否不明者は24日時点で5人。生存率が急激に下がるとされる発生72時間が経過する中、警察や消防などが捜索を続けた。
 県などによると、24日時点で床上浸水が確認されている仮設団地6カ所は輪島市5カ所と珠洲市1カ所。このうち輪島市の宅田町第2団地、宅田町第3団地、山岸町第2団地、浦上第1団地は洪水浸水想定区域にある。
 宅田町の2カ所は、付近を流れる河原田川が氾濫して団地一帯が浸水、住宅内にも泥水が流れ込んだ。24日、県のボランティアによる泥掃除や家財片付けが始まった。
 浸水した団地では、被害拡大後に救助される住民が相次いだ。輪島市幹部は取材に「入居者への注意喚起や避難の呼びかけが不十分だった可能性がある」として、対応を検証し、適切な避難誘導に努める考えを示した。