基地経済 (きちけいざい)


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 戦後の沖縄の社会は、まず米軍基地が建設され、その周りに形成された。米軍の余剰の食糧、衣料に頼り、軍作業で職を得て、次第に経済を再建してきた。電力、水道、交通運輸、金融機関に至るまで沖縄の社会、経済はその基盤や構造の深いところで基地に依存してきた。基地収入は、1966会計年度には12億3600万ドル(軍雇用賃金4億ドル、軍用地料4500万ドル、その他7億9100万ドル)で、政府援助1億700万ドル、物資援助3900万ドルを含めると13億8200万ドル。これは砂糖、パインその他の輸出総額7億9100万ドルの倍近く、対外受取総額26億9100万ドルの半分は基地収入であった。米軍当局は「沖縄住民は米国のお陰で食べていけるのだ」といった〈基地産業論〉を主張していた。復帰後は、観光収入が大きく伸びて基地関係受取の2倍となる。産業構造も、基地収入に代わり国からの公共事業を中心にした財政資金に依存している。

『最新版 沖縄コンパクト事典』2003年3月・琉球新報社発行、2,415円(税込)