基地被害 (きちひがい)


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 基地あるがゆえに発生する事件・事故、演習などによる騒音や流弾、山林火災、赤土汚染などの環境破壊、さらには地域振興開発の阻害などを指す。米兵による犯罪を検挙数でみると、復帰後だけでも5076件を超え、殺人を含む凶悪犯は531件発生している。1995年9月の少女乱暴事件は日米両政府を巻き込む大きな政治・社会問題となった。米軍機事故関係は復帰後、墜落39件、部品落下26件、着陸失敗15件、緊急着陸67件発生している。環境破壊では米軍基地に起因する水質汚濁、PCBなどによる土壌汚染、演習による原野・山林火災、赤土汚染などが発生している。昼夜を問わず日常的に発生する航空機による騒音は、周辺住民の生活環境を著しく損なうばかりでなく、聴力の減退など身体的被害への影響も指摘されている。(数字は2001年末現在)

『最新版 沖縄コンパクト事典』2003年3月・琉球新報社発行、2,415円(税込)