土地整理 (とちせいり)


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 廃藩置県後、沖縄の土地制度を全国並みに近代化するための土地所有権の改正。1899~1903(明治32~36)年にかけて行われた。それまでの首里王府時代の制度下では、経済力に見合わぬ役人の数の膨張、農民や庶民にしわ寄せされた過重な負担、役人と農民との癒着、人頭税問題に見られるような社会的悲劇等々、いわば「制度疲労」から来た歪みが噴出していた。明治政府は、まず土地所有権の確立から入り、1899年には「沖縄県土地整理法」を公布、保有権(用益権)を持つ者や小作人の農民に土地所有権を与えた。また旧来の王府の管理地を官有地とし、土地測量を実施して民有地を11万2921町歩、官有地を9万9364町歩と確定した。同制度下の所有権は戦後も存続した。

『最新版 沖縄コンパクト事典』2003年3月・琉球新報社発行、2,415円(税込)