廃藩置県 (はいはんちけん)


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 日本全国の廃藩置県は、明治維新の結果、1871(明治4)年7月に行われ、藩籍奉還によって、天皇を中心とする中央集権国家が成立したが、琉球は清国冊封下の王国というその特殊性から同列の扱いが出来なかった。そこで明治政府は段階的な琉球処分を模索して、さしあたり琉球の〈王国〉としての地位をはぎ取るべく、日本では廃したばかりの〈藩〉を琉球にかぶせて琉球藩とし(1872年)、王は藩王として華族に列し、琉球に対する支配権を強化して琉球の廃藩置県へ持っていこうとした。が、琉球は依然として清国への朝貢を行い、なかなか政府の命令に従わなかった。そこで79(明治12)年、強権的な琉球処分となり、琉球藩は廃止されて〈沖縄県〉となった。日本の廃藩置県に遅れること、8年であった。

『最新版 沖縄コンパクト事典』2003年3月・琉球新報社発行、2,415円(税込)