【浦添】沖縄県浦添市経塚の金城幸隆さん(79)方の庭で、シークヮーサーの木に接ぎ木した晩白柚(ばんぺいゆ)が実を付け、どんどん大きくなっている。10年ほど前に接ぎ木し、失敗、失敗、失敗の末、今年初めて実を付けたという。金城さんは「理由は分からないけど、とてもうれしい。私の顔より大きいかも」と声を弾ませている。
晩白柚はザボンの一種のかんきつ類で、熊本県の特産だ。金城さんは県のかりゆし長寿大学校で接ぎ木を学び、10年ほど前から実践してきた。
数年間の失敗が続いた後、1本のシークヮーサーの台木から、デコポンやハニーレモン、グレープフルーツ、ハッサクの実を実らせ、注目を集めた。
一方、同時期に接ぎ木した晩白柚は“なしのつぶて”だった。それが今年1月、初めて花が咲いた。春先には3センチほどの実がなり始めた。50個ほど実ったところに台風が直撃し、大半が落下した。それでも10個余りが残り、大きい果実は直径20センチ、重さ1・6キロにまで成長している。
年内には収穫し、皮も入浴に使うという金城さん。たわわに実った果実を前に「接ぎ木で晩白柚を作った人は、他に聞いたことがない。次はオリーブを実らせたい」と笑顔で話した。