行楽地住民「お家にいとこー」 感染防止で外出自粛訴え


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 玉城デニー知事が「ステイホーム」(自宅待機、外出自粛)を呼び掛ける中、25日から始まったゴールデンウイーク。海岸や公園には「3密」を警戒しながら外で気分転換しようとする人も見られ、行楽地の地元住民からは「時期が時期だけに控えてほしい」との声も上がった。

店舗の明かりが消え、暗くなった国際通り=25日午後8時ごろ、那覇市(5秒間露光、又吉康秀撮影)

 各地の海岸では昼すぎからの干潮に合わせ、潮干狩りを楽しむ家族連れが多く見られた。午後1時すぎ、糸満市の北名城ビーチの駐車場はいっぱい。50人超が潮干狩りをしていた。糸満市の30代男性は「海風に当たりたかった。家族だけで来ているし、他の客と近づいたり、話したりするわけではないので大丈夫だと思う」と話した。地元に住む60代男性は「近くの名城ビーチも混み合っている。集団で来られると怖い」と不安げに語った。

 うるま市与那城の海中道路で家族と昼食を取っていた同市石川の自営業女性(54)は「ずっと家にいてはストレスがたまる。感染が怖いので、しばらくしたら帰る」と話した。

 来村自粛を呼び掛けている大宜味村では、村内の有志約10人が地域を見回った。海辺のキャンプ客や釣り人に「お家にいとこーねー」と書かれたチラシを配り、外出自粛や地域住民との接触を控えるよう協力を求めた。同村喜如嘉の稲福隆区長(67)は「村内で感染が広がらないよう固い意思で行いたい」と話した。

 石垣市、宮古島市は県の緊急事態宣言より早く来島自粛を呼び掛けていたこともあり、観光客の姿はほとんどなかった。大型商業施設もないことから地元市民も自宅で過ごす人が多く、街に人の姿はまばらだった。

 同日午後8時すぎ、大半の店が休業している那覇市の国際通りは、店舗の明かりもなく暗い。通行する車のヘッドライトが際立っていた。