高校生が撮ったコロナ禍の「幸せ」と「うんざり」 知念高校写真部の作品たち


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 遠足や球技大会といった学校行事の中止、友達に会えない休校―。新型コロナウイルスは子どもたちに多くの我慢を強いている。コロナ禍で高校生は何を見て、何を感じたのか。写真甲子園の出場経験がある知念高校写真部の2年生4人に、コロナをテーマにした作品(5月撮影)を送ってもらった。

新川にこりさんの作品「うららか」

 新川にこりさんは、洗濯物を干す妹の笑顔を撮影した。タイトルは「うららか」。「心穏やかな優しい時間を過ごせることに、私は幸せを感じる」とコメントを添えた。「妹はあまり家のことを手伝わなかったけど、コロナの後は手伝うようになった」と、妹の変化に幸せを感じていた。

新垣来実さんの作品「うんざりしている少女たち」

 新垣来実さんは双子の妹を撮影した作品「うんざりしている少女たち」を提供してくれた。コロナ禍で遊ぶ場所が限られ、きれいな海も何度も訪れると「平凡な風景」になり、妹たちはうんざりしている。ただ「妹としゃべる機会が増えた。音楽とか、共通の話題を話せるようになっていた」と妹の成長に喜びも見いだした。

銘苅優羽さんの作品「いつものでんちゃん」

 銘苅優羽さんは、保育園が休みになり、祖母の家でスマートフォンをいじる男の子を撮影した。出掛けらられない寂しさを紛らわせているようだったという。

本村海月さんの作品「僕の秘密基地」

 本村海月さんは、顧問の子どもが公園のガジュマルで遊ぶ風景を撮影し「僕の秘密基地」とタイトルを付けた。

 さまざまな制限の中、部員は家族との触れ合いを感じ、年下の子の心情に思いを寄せた。「自分の時間ができて、勉強もするようになった」と前を向く生徒もいた。「休校が明けたら何をしたいか」との質問には4人から同じ答えが返ってきた。「早く友達と遊びたいです」