「奇跡的に残った貴重な場所」辺野古の長島に希少鍾乳石 国内初、世界初記載も


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鍾乳洞内の通路にある光鍾乳石。光が入る右側の洞口方向に傾いている=2018年、名護市辺野古崎沖の長島(浦田健作さん提供)

 沖縄県名護市辺野古崎の沖にある無人島・長島の鍾乳洞で2018年に発見された珍しい鍾乳石が7月31日、学術雑誌・沖縄地理に掲載された。積み重なった枝サンゴのかけらが石灰分で固められた「固結礫塔(れきとう)」は世界初、洞窟の入り口にある石筍(せきじゅん)が光の差す方向に成長する「光鍾乳石」は国内初の論文記載だ。

 担当した研究者は「小さな島に珍しくおもしろいものがたくさん詰まっている」と評価した。

 長島周辺は新基地建設のため立ち入りが規制されている。調査は18年、県が埋め立て承認を撤回し、作業が中断した際に行った。日本自然保護協会の協力・支援で九州大学や県立芸術大学などの研究グループが調べた。

 鍾乳石は地下水に含まれる石灰分が固まって成長し、通常は水が落ちる垂直方向に伸びる。表面にコケや藻類が生えると、光合成の影響で石灰分が固まりやすくなり、光合成が盛んな光の方向に鍾乳石が成長する光鍾乳石ができる。日光をよく反射する海岸にできやすいが、これまで国内では報告がないという。

 固結礫塔は高さ70センチ、直径20センチ程度。大量のサンゴのかけらが堆積しているところに石灰水を含んだ地下水が滴下し、その部分が固められてできたと考えられる。

 大昔は現在の海底を含めた周辺の石灰岩の中に大きな地下水の流れがあり、鍾乳洞が形成されたと考えられる。長島はその一部だ。調査した九州大学大学院の浦田健作学術研究員は「奇跡的に残った貴重な場所で、きちんと調べればもっとおもしろいものが見つかるだろう」と話した。