全国初?四つ子の子牛、巣立っていくよ 人工保育ですくすく「寂しくなるかも」


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競りにかけられた四つ子の牛(右から)「あさひ」「まひる」「ゆうひ」「深夜」と大湾守一さん=17日、糸満市武富のJAおきなわ南部家畜市場

 【糸満】沖縄県うるま市栄野比の大湾守一さん(43)が育てた四つ子の牛が17日、糸満市武富のJAおきなわ南部家畜市場(野原実場長)で競りに出された。四つ子が競りに出るのは、同市場で初めて。野原場長は「四つ子が生まれるのはあまりない。全国でも初めてじゃないか。育つのも珍しく、牛の管理が良い証拠だと思う」と話した。

 昨年11月、沖縄市池原の大湾畜産の牛舎で四つ子は誕生した。覚えやすいよう生まれた順に、警戒心が強い「あさひ」、人懐っこい「まひる」、おとなしい「ゆうひ」、唯一のオスでわんぱくな「深夜」と名付けた。

 「苦労もあった」と、大湾さん。初めて迎える四つ子を無事に育てるため、出産前から母牛の体調管理を気遣い、出産時もへその緒が絡まらないように細心の注意を払った。産後は母牛の体力が持たないと見越し、人工保育で4頭を育てた。

 生後約10カ月で1頭の体重は、生まれた時から約10倍の約250~270キロに成長した。同年齢の牛より少し小さいが、1頭当たり60~70万円で取引され、3頭は徳島県、1頭は鹿児島県の肥育農家が購入した。

 徳島県の購買者は「普通は四つ子は育てられない。あそこまで育てる農家が立派だ。3頭を最後まで育てたい」と話した。

 大湾さんは「買い手がついて一安心した。これで仕事が終わった感じがする。思った以上の値段が付いて良かった」と笑顔を見せた。「空っぽの牛舎を見ると、寂しくなるかもしれないが、別の牛たちを育てないといけない」と前を向いた。
 (比嘉璃子)