台風で倒れた樹齢100年ガジュマル、再生へ 太い枝は挿し木に、細い枝はグッズに…豊見城市・座安小


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 【豊見城】豊見城市立座安小学校(具志直哉校長)は、台風11号の強風で倒れた樹齢100年超のガジュマルの再生に向け、動き出した。12日に造園業者が切った太い6本の枝を挿し木にして、数カ月後に植樹する計画だ。歴代PTA会長や現在の保護者から、ほかの細い枝葉もキーホルダーやボールペン、スプーンにできないかとのアイデアが出ている。「地域で親しまれた」ガジュマルは倒れても、まだまだ朽ち果てない。

校舎から児童が見守る中、解体されていくガジュマル=12日、豊見城市の座安小学校

 ガジュマルは座安小が現在の場所に移転し、創立記念として植樹され、少なくとも114年の歴史がある。だが、台風11号の影響で4日に幹が折れているのが確認された。

 歴代PTA会長らが新たな植樹に向けた話し合いをし、学校側に相談。学校が市豊崎の泉川園芸に確認すると、挿し木にして再生できる可能性があることを知った。

 12日は校舎のベランダから児童が手すり越しに見詰める中、業者がチェーンソーで次々に枝を切り、クレーンで持ち上げトラックの荷台や運動場に移動させた。6本の枝は泉川園芸に運ばれ、数カ月間、鉢に入れて根が張るまで育て、ある程度成長した段階で、校内に挿し木する予定だ。

 ガジュマルが切られていく様子を見守っていた玉寄誠教頭は「寂しい」とぽつり。それでも再生に向け「これまでは大人と協議してきたが、これからは子どもたちとも話し合い、何か形になる物を作っていきたい。地域が一つになれるように活用していければ」と前を見据えている。
 (照屋大哲)